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【麻布十番-黒豆農園3代目井上敬介】 大豆の品種に求められてきた能力は、とにかく日本国内で、大豆生産を安定を定着させようというねらいで、「安定多収」や「広域適応性」に重点をおいていました。実際にそのときの登場した「タマホマレ」などは、大豆の生産性をそれまでより飛躍的に上昇させ、農家を驚かせ、生産意欲にも結びつき、確かに国産大豆定着に大きく貢献しました。
しかし、この時期の品種目標は俗に「検査受けはよい」よいう販売者目的の観点であり、消費者ニーズを考えたものではありませんでした。タマホマレは粒揃いがよく外観上の欠点(褐目、紫斑粒、褐粒斑粒、裂皮粒)が少ないものでした。この検査規格は、外観上煮豆にふさわしい大豆を選ぶ観点に立ち、その判定結果が価値を決める仕組みになっていますが、現実には国産大豆の最大の用途は豆腐であるという食い違いが続いています。
このころ丹波黒は、国産大豆全体の中で、特異な大粒ではあるが栽培が難しいものであったために取り残された地方品種の一つにすぎませんでした。
国産大豆は価格面で圧倒的に差のある輸入大豆に対抗して、生き延びるための性格付けを明確に求められるようになってきました。すなわち用途別の、輸入大豆にない優れた品質特性を持つ、言い換えれば優れた特徴の故に高価でも需要が成立し、そのためには、ある程度までは栽培適性が劣ることがあってもやむを得ないとさえ考えられるようになってきました。
そうなると、その方向の一つの極に丹波黒がいることに大豆関係者は気がつきました。他の品種では替えられない煮豆材料として抜群の品質特性と、栽培者泣かせの作りにくさの併存。普通大豆に比べて栽培管理に数倍以上の手が掛かり、収量は半分、しかし販売単価は数倍から10倍以上という丹波黒を、もしできれば手がけたいという地域が全国に増えてきました。このような関心の高まりは、丹波地域への全国からの視察の多い現状にも現れています。
その意味では丹波黒は、もはや兵庫、京都だけの特産品ではなく、生産地域は西日本に広がり、国産大豆の中で重要な品種の一つになってきました。
| 少し理論的な面での「丹波黒」の事がわかったかな? |
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